http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/masudako/20130915/1379250621

分析にはおおむね異論はないけど、であれば「化学物質過敏症」という診断を持ち出す意義があるかは疑問がある。
臨床的には現在の「化学物質過敏症」という診断は、そう診断したからといって適用する治療法の方針が定まってくるわけでもなく (臨床環境医が手当たり次第に代替医療を適用しているのを見ると、そうとしか思えない)、たいがいの症状はそう診断しうるというゴミ箱になっているというのが批判の骨子ではないのかな。
だとすると、sivad氏が読めと書いていたAMAの1994年の報告書に書いてあったとおり、個別の患者の症状を診て治療法をアレルギー科などの専門家にコンサルトしながら試してゆくというのは、そんな診断なしにできるしその方がとらわれなくていいと思うんだけど。

健康保険の病名と言い出したら、どんな処方も適切と認めますみたいな疾患は都合よく使われて、その結果現在柔道整復師に関してやられているような煩いチェックが入ることになってしまうと思うな。

追記:
あと、どうも「化学物質過敏症」(あるいは「IEI」)か心因性かの二者択一を考えているぽいのが気になる。1994年のレポートの FAQ1 に書かれていることからしても、「既存のどの病態にも当てはまらない単一の疾患」でも、「全部が心因性」でもなくて、個別にきちんと診ていったら、人によって異なる適切な治療方法がみつかることが多いからそうしなさいという話が少なくとも「化学物質過敏症という診断」を批判する側ではされていると思うのだけど。どういう治療法が合っているか、どういうメカニズムで起きているかが結構異なるものがいっしょくたにされているよねというか。